yukihiroは、L’Arc〜en〜Cielのドラマーとして広く知られていますが、そのキャリアはそれだけでは語りきれません。1980〜90年代のバンドシーンを駆け抜け、ソロプロジェクト「acid android」、さらにgeek sleep sheepやPetit Brabanconなど、多彩な音楽活動を続けてきたアーティストです。ドラム、打ち込み、シンセ、ギター、ボーカルまで操るそのスタイルは、日本のロックシーンでも類を見ない独自性を持っています。
彼がどのような音楽的ルーツを持ち、どのように現在のスタイルへ到達したのか。L’Arc〜en〜Ciel加入前のバンド遍歴、主要プロジェクト、音楽性、使用機材までを総まとめし、「yukihiroとはどんな音楽家なのか」を体系的に理解できるように構成しました。
この記事を通して、yukihiroというアーティストの奥深さ、そして長いキャリアの中でどのようにサウンドを進化させてきたのか、その魅力を存分に感じていただければと思います。
1. 来歴とバンド遍歴|yukihiroのキャリアを時系列でたどる
yukihiroの音楽人生は、1980年代後半のロックシーンから始まります。ここでは、彼がどんなバンドを経て現在のスタイルにたどり着いたのか、順番に見ていきましょうね。
ZI:KILL時代(1989〜1990)
最初の大きなキャリアの舞台となったのが、ヴィジュアルロックシーンの中でも強い存在感を放っていた「ZI:KILL」です。
加入したのは1989年。アルバム『CLOSE DANCE』の制作にも関わり、若いながらも力強いドラミングを披露していました。
ただ、メンバー間の音楽性の違いもあり、1990年12月に脱退。短い期間でしたが、後の活動に繋がる経験がぎゅっと詰まった時期でもありました。
OPTIC NERVE(1991)
1991年、室姫深さんと共に始めたユニットが「OPTIC NERVE」です。ここではロックという枠を飛び越え、エレクトロニックなサウンドへ大きく舵を切ります。
アルバム『OPTIC NERVE ABSTRACTION』では、なんと初めてボーカルを担当。のちのacid androidへと繋がる“電子音 × シリアスな世界観”の原型が、この頃すでに芽生えていたんですね。
DIE IN CRIES(1991〜1995)
同じ1991年には、KYO(D’ERLANGER)が立ち上げた「DIE IN CRIES」にも加入。こちらでは、打ち込みとバンドサウンドを融合させたスタイルを深く追求していきます。
1992年にはアルバム『VISAGE』でメジャーデビュー。ライブでもレコーディングでも、当時のロックバンドとしてはかなり前衛的なサウンドを鳴らしていたんですよ。
バンドは1995年に解散しますが、yukihiro本人が「納得できた時期」と語っているほど、彼の音楽観に強く影響を与えた大切なフェーズでした。
ソロ活動の開始(1995〜)
DIE IN CRIES 解散直後、彼は本格的にソロ活動をスタートさせます。
DJとしてイベントを主催したり、飯島直子さんの楽曲「Change my mind」のレコーディングに参加したりと、幅広いスタイルを自由に楽しむようになります。

“ドラマー”という枠にとらわれず、自分の表現したい音を追い求める姿勢がこの頃からはっきり表れていて、とてもワクワクする時期だったんでしょうね。
2. L’Arc〜en〜Ciel加入と音楽性の変化
yukihiroが大きく注目されるきっかけとなったのが、L’Arc〜en〜Cielへの参加です。ここから彼は、日本を代表するロックバンドの“屋台骨”として、唯一無二の存在感を発揮していくことになります。
サポート参加から正式加入へ(1997〜1998)
1997年、L’Arc〜en〜Cielはドラマー不在の状態にありました。そんな中で声が掛かり、yukihiroはサポートとしてレコーディングに参加します。
特に象徴的なのがシングル「虹」。この曲で披露したタイトで美しいドラミングが高く評価され、ファンの間でも「このドラマーは誰?」と話題になりました。
そして翌年、1998年1月1日付で正式加入。
この瞬間、L’Arc〜en〜Cielのサウンドは大きな転換期を迎えます。
加入後の音楽性の変化と代表曲
yukihiroの特徴として、打ち込みやシーケンスをバンドサウンドへ自然に溶け込ませるアプローチがあります。
加入後、L’Arc〜en〜Cielが電子的なビートを楽曲に取り入れることが増えたのは、まさに彼の影響が大きい部分です。
作曲面でも存在感を発揮しており、
- 「New World」
- 「DRINK IT DOWN」
- 「Cradle」
といった人気曲を生み出しています。
さらに2000年には、リミックスアルバム『ectomorphed works』を単独プロデュース。
L’Arc〜en〜Cielの楽曲を大胆に電子的な解釈へ再構築し、彼の“音の美学”がはっきりと浮かび上がる作品となりました。
yukihiro加入後のバンドサウンドを体感するなら、このライブ映像がおすすめ
yukihiroが作り上げた「タイトで躍動感あるラルクのサウンド」を最も分かりやすく味わえるのが、30周年記念ライブです。バンドの成熟した演奏と、美しいステージングが詰まっています。
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このライブを観ると、「なぜyukihiroがバンドに必要不可欠なのか」がよく分かります。本当に音のひとつひとつが気持ちよくて、見入ってしまうんですよね。
3. 主要プロジェクトの全貌|多彩な音楽性を体現する活動たち
yukihiroはL’Arc〜en〜Cielの活動だけでなく、複数のプロジェクトを通して、自分の中にあるさまざまな音の世界を表現してきました。ここからは、その代表的な活動を順番に見ていきましょうね。
acid android(2001〜)|電子音と攻撃性を融合したソロプロジェクト
yukihiroの“もうひとつの本体”とも呼べるのが、このソロプロジェクト「acid android」です。
曲によっては、ボーカル・シンセ・ギター・プログラミング・ミキシングまでをすべて自身で行うという徹底ぶりで、彼の音に対する探究心がそのまま音像に現れています。
出典:ACID ANDROID OFFICIAL YOUTUBE CHANNEL@acidandroidofficial
活動初期は、インダストリアルやEBMの影響を色濃く感じさせるヘヴィで尖ったサウンドが中心でしたが、2010年代以降はニューウェイヴやシンセポップ寄りへと変化。
硬質かつ美しい電子音と、人間的な荒々しさが混ざり合う独特の世界観は、今もファンを惹きつけ続けています。
acid androidの世界観を味わうならライブ映像が一番分かりやすい
音へのこだわりが極まったステージングは、初めて触れる人にも衝撃的です。重たいビートと電子音が渦を巻き、視覚・聴覚どちらからも引き込まれる空間が広がっています。
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ライブの魅力は、音の「質感」をダイレクトに味わえること。映像を通して彼の音作りの緻密さがより鮮明に伝わってきますよ。
geek sleep sheep(2012〜)|シューゲイザーやオルタナの香り漂う3ピースバンド
百々和宏さん(MO’SOME TONEBENDER)、345さん(凛として時雨)と結成したスリーピースバンド。
音源を聴くと、1990年代のシューゲイザーやグランジへの愛情がそのままに滲み出ていて、ノイズとメロディのバランスが絶妙なんです。
不定期ながらライブやリリースを続けており、「yukihiro=ドラマー」というイメージをもっと広く、自由にしてくれる貴重な活動です。
Petit Brabancon(2021〜)|京(DIR EN GREY)と作り上げるダークで鋭い世界
2021年に始動した、よりヘヴィでダークな空気を持つロックバンドが「Petit Brabancon」です。
京(DIR EN GREY)、ミヤ(MUCC)、antz(Tokyo Shoegazer)、高松浩史(THE NOVEMBERS)という実力派が集まった強力なラインナップで、
yukihiroは
- ドラム
- 作曲(「mind-blow」「surely」など)
- 打ち込み的アプローチの導入
と、バンドの核となる部分をしっかり担っています。
Petit Brabanconの音を知るなら、この1枚が入り口にぴったり
ヘヴィさ、ダークさ、スピード感。バンドが持つ圧のある世界観が真っ直ぐに伝わる作品です。yukihiroが手がけた楽曲の魅力も存分に感じられます。
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メンバーそれぞれの個性が強いのに、全体としてはひとつの方向にまとまっているのが面白いところ。とにかく“濃い”音が好きな人には最高の一枚です。
4. 音楽性と楽曲制作の特徴
yukihiroの魅力を語るうえで欠かせないのが、その独特な“音のセンス”です。ロック、エレクトロ、ニューウェイヴ、インダストリアル…さまざまな音楽を吸収しながら、自分の中で緻密に組み上げていくスタイルは、他のアーティストとは一線を画しています。
音楽的ルーツと嗜好
yukihiroは1970年代後半〜80年代のニューウェイヴ、ポストパンク、さらに90年代のオルタナティヴやシューゲイザーなどに強い影響を受けています。
特にデペッシュ・モードは長年のフェイバリットとして公言しており、そのミニマルで硬質なビート感は、彼の音作りのルーツとして分かりやすく反映されています。
さらに、インダストリアルの旗手ミニストリーに衝撃を受けたことも、彼が打ち込み音楽に深く傾倒していったきっかけとして語られています。
楽曲制作における姿勢
yukihiroの制作スタイルは、どちらかというと「感情を音に乗せる」というより、「格好いい音を徹底的に設計する」という方向に寄っています。
たとえば、
- 音色そのものがジャンルを決める
- リズムの配置や音の密度に強いこだわりを持つ
- 原曲を作ってからバンドアレンジへ進化させる
といった考え方を持っていて、これはL’Arc〜en〜Cielの楽曲制作でも大きな影響を与えています。
実際に「New World」「REVELATION」などは、彼のリズム感・音の配置思想がそのまま楽曲の構造に結びついています。
ドラマーとしての特徴
yukihiroのドラムは、とにかく「タイトで正確」。だけどその裏にある音の厚みやニュアンスが、聴く人を惹きつけるんですよね。
特徴的なのは、
- 左右に配置したリモートハイハットで16分をオルタネイトする独自スタイル
- 打ち込みと同期する、機械のような正確性
- 手数が多く、細かいフィルインを挟む
- 自身のドラム音をサンプリングし、加工して再利用する
若い頃はとても完璧主義で、レコーディングに何日もかけるほどのこだわりがあったそうですが、近年は「メンバーが良いと言えばそれでOK」と柔らかくなったとも語っています。
5. 使用機材とサウンドへのこだわり
yukihiroの“音”を語るには、使用機材も外せません。ドラムセットはもちろん、シンセサイザーやサンプラーまで幅広く使いこなす姿は、まさに「打ち込み番長」と呼ばれる所以です。
ドラムセットの特徴
彼のドラムセットは、ライブで見ると圧巻。まさに“要塞”と呼ばれるほどの構成力を持っています。
- ツーバス(22インチ含む)
- ピッコロスネア
- 複数のロートタム
- 高い位置にセットされたチャイナシンバル
- 左右対称構造の複雑なラックシステム
シグネチャースネア「Pearl FCA1435/B-YA Version.3」など、専用モデルを持っていることでも知られています。
シンセサイザー・サンプラー類
yukihiroはアナログシンセやハードウェアを好んで使い続けています。ソロ(acid android)やPetit Brabanconの制作でも大活躍しています。
- Clavia Nord rack 3
- Dave Smith Instruments Sequential Prophet-6
- その他、多数のリズムマシン・アナログモジュール
こうした機材を駆使して、複雑で立体的な電子音を組み上げていくスタイルは、まさに職人そのものです。
6. 人物像とその他の活動
ストイックで寡黙な印象のあるyukihiroですが、その内面には柔らかなユーモアや、愛らしい一面もあります。
執筆活動
音楽雑誌ではコラム連載を持っており、
- 『音楽と人』:コラム「yukihiro牛乳」
- 『サウンド&レコーディング・マガジン』:コラム「oscillator lover」
と、音へのこだわりや日常の気づきを独自の視点で語っています。単行本『yukihiro milk another story』も発表していて、読んでみると彼の意外な一面が見えてきます。
意外な一面・趣味
中日ドラゴンズのマスコット「ドアラ」の大ファンで、グッズを集めていることでも知られています。
また、『新世紀エヴァンゲリオン』や『ジョジョの奇妙な冒険』などの作品も好きで、サブカル的な趣味も豊富なんです。

若い頃は“バンドマンとしての美学”を強く持っていましたが、L’Arc〜en〜Cielに加入してからメンバーに影響され、「ポリシーが減った」と語るほど、柔らかい雰囲気を身につけていきました。
まとめ
yukihiroは、ドラマーという枠におさまらず、作曲・プログラミング・シンセ・ギター・ボーカルまで幅広くこなす、まさに“多面体”の音楽家です。
ZI:KILLから始まり、OPTIC NERVE、DIE IN CRIES、そしてL’Arc〜en〜Cielへ――その長いキャリアの中で、常に新しい音を求め続けてきました。
L’Arc〜en〜Ciel加入後には、バンドの音楽性に電子的なアプローチを強く持ち込み、作品に唯一無二の質感を生み出しています。
さらに acid android や Petit Brabancon など、自身の「好き」が詰まったプロジェクトを通して、今も音楽の可能性を広げ続けています。
彼の音に触れると、細部まで計算し尽くされたこだわりと、音そのものへの深い愛情が伝わってきます。
これからもどんな音世界を見せてくれるのか、とても楽しみですね。
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よくある質問
- Qyukihiroが作曲したL’Arc〜en〜Cielの代表曲は?
- A
「New World」「DRINK IT DOWN」「REVELATION」「Cradle」などが代表的です。いずれも彼のリズム感や音作りのセンスがよく表れています。
- Qacid androidとL’Arc〜en〜Cielの音楽性の違いは?
- A
L’Arc〜en〜Cielはロックを基軸に多彩なアプローチを見せますが、acid androidはより電子音寄りで、インダストリアルやニューウェイヴの影響が強いのが特徴です。
- QPetit Brabanconでのyukihiroの役割は?
- A
ドラムはもちろん、作曲でもバンドの核を担っています。「mind-blow」「surely」などは彼が手がけた楽曲で、重厚でダンサンブルなサウンドが魅力です。



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